歯周病について

歯周病とは?

歯の病気の代表的なものに、虫歯(う触)と歯周病があります

虫歯は”歯そのもの”が破壊される病気ですが、歯周病は”歯肉や歯を支える骨など歯を支える周りの組織(歯周組織)”の細菌感染により起こる病気です。

自分で気がつかない軽い歯周病を含めると40歳以上の成人のうち5人中4人以上が歯周病にかかっているといわれ、歯周病は歯を失う最も大きな原因となっています。歯周病の恐ろしい点は初期・中期にはほとんど自覚症状がなく腫れや痛みの症状が出てくるのは末期になってからで、その時期では抜歯せざる得ない場合もあるということです。
また、最近の研究によって歯周病は早産や低体重児などのリスクを高めたり、心臓病、腎臓病、糖尿病などの全身疾患にも大きな影響を与える事もあきらかになっています。

歯周病はどうして起こるの?原因はなに?

香川県 高松市 浮田歯科医院 細菌

歯周組織は歯肉(歯茎)と歯槽骨(歯を支える骨組織)歯根を覆うセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯骨膜からなり、歯を正しい位置にしっかり付着固定するための強固な構造を備えています。

しかし、歯磨きが不十分で歯と歯肉の間に細菌が住み着いてプラークが溜まるとそこに炎症が引き起こされます。これが歯周病の始まりです。

香川県 高松市 浮田歯科医院 正常なはと歯周組織

プラーク1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。

その中で歯周病をひき起こす細菌は、ホロルフィロモナス、ジンジバリス、フロレボテーラ、インターメディア、アクチノバシラス、アクチノマイセテムコミタンスなど10種類以上がわかっています。これらの細菌が炎症を引きおこすことが歯周病の原因となります。

歯周病が進行すると?

香川県 高松市 浮田歯科医院 進行する歯周病

初めは自覚症状がなく鏡で見ても気がつきませんが、そのうち歯肉が赤くなったり、腫れたりします。

歯周病は主に歯肉が歯に接する付近に存在するプラーク中の細菌が原因で進行します。プラークが石灰化し歯石になると自分では取り除きにくくなり、炎症が持続するようになると歯と歯肉が付着している部分の溝が深くなり歯周ポケットができます。
さらに炎症が持続すると歯根膜や歯槽骨が破壊されて、歯肉が腫れたり、膿が出たり、ぐらぐらするようになります。
やがて歯は抜けてしまいます。

歯周病を進行させる因子

いったん歯周病が始まると下記の1~7のことは歯周病を進行させる因子となります。

  1. 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
  2. 不適合な冠や義歯
  3. 不適切な食生活
  4. 喫煙
  1. ストレス
  2. 全身疾患
    (糖尿病、骨粗鬆症、ホルモンの異常、シェーグレン症etc)
  3. 薬の長期服用

当院では正しいブラッシング方法などの指導を行っております。
歯科衛生士によるポケット内のバイオフィルム除去、歯科医師による歯周外科、そして患者様による正しいセルフケアがそろってはじめて歯周組織の健康は維持されます。一緒に頑張りましょう。

歯周病って治るの?

以前は「不治の病」とさえ言われていた歯周病も原因や治療法が確立され、ガイドラインも整い、現在では初期や中期のものは進行を阻止する事が可能となり、健康を取り戻すことができるようになってきました。
まず歯周病の原因はプラーク中の細菌ですから、それをためない、増やさないことが基本です。
そのためには正しい歯ブラシの方法で毎日実行することです。歯の表面をプラークのない清潔な状態にしておく事が何より大切なことです。正しい歯周治療を受け、メンテナンスを定期的に受けることが大切です。

どうやって治すの?

まず原因である細菌を減らすために患者様ご自身で日々のセルフケアをしっかりしていただくことと、歯科衛生士によりポケット内のバイオフィルム除去をしっかりすること、歯科医師により歯周外科でポケット内の歯石やバイオフィルムを徹底的に除去する事を行います。
次に、宿主因子(歯周病を起こしやすくさせる体の状態)や環境因子(歯周病を起こしやすくする生活習慣)の改善を指導してリスクファクター(危険因子)を減らします。

歯周病を起こしやすくする危険因子

  • 加齢
    これはしかたないですね。
  • 糖尿病
    きちんと内科受診して血糖値のコントロールをしてもらう。
  • 骨粗鬆症や腎臓や甲状腺の病気
    各科にきちんと受診してホルモンの分泌異常を
    コントロールしてもらう。
  • 膠原病、リウマチ、シェーグレン症
    きちんと内科受診して治療してもらう。
  • 精神的ストレス
    免疫力が低下するので、
    ストレス発散に努めてもらう。
  • 歯並び
    矯正治療や咬合調整を行う。
  • 歯ぎしり、くしいばり、かみしめ
    不良習癖をしないよう意識する。
    スプリントを使用する。
  • 不適合冠や不適な義歯
    歯科治療のやりかえをする。
  • 薬剤の副作用
    抗てんかん薬、血圧の薬には歯肉を増殖する副作用のあるものがあるので、その他の種類に変えてもらう。免疫抑制剤、狭心症の予防薬もできるだけ必要最小限にしてもらう。
  • 喫煙
    できるだけ減らしていく努力をしましょう。
  • 食生活習慣
    砂糖の摂取や飲食回数を減らすよう指導します。

最後にもう一つ、力のコントロールも大切です。歯を支える骨(歯槽骨)が歯周病のため減っていますので、残った骨で耐えられる以上の強い力がかかってしまうと、咬合性外傷を引きおこし、骨がさらに破壊されますので、歯周補綴を行い、力を分散させてやる必要があります。

1. 細菌を減らす 2. リスクファクターを減らす 3. 咬合力のコントロール

が歯周治療の主なものです。

歯周病は「骨の病気」です。浅い歯肉溝、平坦な骨、十分な付着歯肉を獲得するよう全力をつくし、
少しでも長い間ご自身の歯でおいしく食べていただけるようベストをつくして治療させていただきます。

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