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2025年11月5日

こんにちは。高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」です。
インビザラインは、目立ちにくく、取り外し可能な装置を使用することから人気の高い矯正方法です。
しかし、矯正治療が終わったからといって、その効果が永久に持続するとは限りません。実は、多くの人が矯正後の後戻りに悩まされているのが現状です。これは、見た目だけでなく噛み合わせや口腔内の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
今回は、インビザラインで矯正したあとに後戻りが起こる原因や後戻りを防ぐ方法などについて解説します。インビザラインを検討されている方や、後戻りを防ぎたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

矯正治療における後戻りとは、歯を理想的な位置に動かしたあとに、その歯が元の位置に戻ろうとする現象のことを指します。インビザラインに限らず、すべての矯正治療にはこの後戻りのリスクが伴います。
矯正治療によって歯を移動させた直後は、歯を支える骨や歯茎がまだ安定していません。この安定させる過程で、何らかの力が歯に加わると、矯正治療で整えた歯並びが元に戻ろうと動くことがあるのです。
後戻りは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、将来的な虫歯・歯周病のリスクにも関わってくるため、決して軽視できません。

インビザラインでの矯正治療が完了しても、油断すると後戻りが生じる可能性があります。その原因をいくつかの観点から見ていきましょう。
インビザライン矯正後に後戻りが起こる最も一般的な原因は、保定装置(リテーナー)の装着をきちんと継続しないことです。
矯正治療によって動かした歯は、すぐにその位置で安定するわけではなく、しばらくの間は元の位置に戻ろうとする力が働いています。そのため、歯が新しい位置に定着するまでの期間は、リテーナーを正しく装着し続けることが非常に重要です。
この期間にリテーナーの使用を怠ると、歯並びが短期間で後戻りを起こすリスクが高まります。また「少しくらいなら外しても大丈夫」といった自己判断が、取り返しのつかない結果につながることもあるため注意が必要です。
舌で前歯を押す癖や、片側だけで食べ物を噛むといった日常的な癖も後戻りの原因となります。
これらの癖は、無意識のうちに歯に不自然な力を加え続けるため、矯正によって整えた歯列に影響を与えてしまいます。とくに舌癖があると、前歯が前方に押されて、すき間ができたり歯が傾いたりすることがあります。
矯正後もこれらの癖が改善されていなければ、再び歯列に悪影響を与える恐れがあるのです。
年齢を重ねるにつれて、歯を支えている歯槽骨や顎の骨の構造が少しずつ変化していきます。こうした自然な老化現象も、後戻りを引き起こす要因となることがあります。
また、加齢による歯茎の後退や骨密度の低下により、歯の位置が変わりやすくなるため、矯正後の安定性が保たれにくくなります。加齢そのものは避けられない要素ですが、定期的な歯科受診やケアによってリスクを最小限に抑えることが可能です。
噛み合わせが正しく調整されていない場合、歯列全体のバランスが崩れやすく、結果として後戻りを引き起こすことがあります。インビザラインでは、歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせの調整も行います。
しかし、軽度の不正咬合が残っていると、日常の咀嚼や力のかかり方によって歯が再度動くことがあります。

ここでは、後戻りを防ぐためのポイントについて解説します。
後戻りを防ぐために最も重要なことは、リテーナーを正しく装着することです。
矯正終了後は歯並びが安定していないため、リテーナーを装着する必要があります。装着時間を自己判断で減らしたり、面倒だからといって装着しない日が続いたりすると、後戻りを起こすリスクが高まります。
矯正治療後の後戻りを防ぐためにも、担当の歯科医師の指示に従い、リテーナーを正しく装着しましょう。
インビザライン矯正後の後戻りを防ぐためには、日常生活における悪習慣の見直しが欠かせません。舌で前歯を押す癖や、唇をかむ、頬杖をつく、いつも片側ばかりで噛むといった無意識の癖は、歯に不均等な力をかけてしまい、整えた歯並びを乱す原因となります。
インビザライン治療後の歯並びを維持するためには、これらの悪習慣に早く気づき、意識的に改善することが大切です。必要に応じて、舌や顎の筋肉を鍛えるトレーニングや、歯科医師の指導を受けるのもよいでしょう。
矯正治療後の後戻りを防ぐためには、定期的に歯科検診を受けることが重要です。
矯正治療が終了したあとでも、歯や噛み合わせは日々少しずつ変化していくため、自分では気づかない歯のズレやリテーナーの不具合が起こることがあります。こうした小さな変化を早期に発見し、適切に対処するためには、プロによるチェックが欠かせません。
定期的に歯科医院で検診を受けていれば、万が一、後戻りを起こしていても、早期に発見・対処できます。後戻りを防ぐためには、「治療が終わったら通院も終わり」と考えるのではなく、アフターケアの一環として定期的に歯科医院を受診する習慣を持つことが大切なのです。

もし後戻りが起こってしまった場合でも、早めに適切な対応を取ることで改善は可能です。以下に、考えられる対処法をご紹介します。
インビザライン矯正後にわずかな後戻りが見られる場合は、新たにリテーナーを作成し、再び装着することで改善が見込めるケースがあります。特に、後戻りの程度が軽度で、歯の位置が大きく変化していない段階であれば、追加の矯正治療をせずに対処できる可能性があります。
ただし、インビザライン矯正後の後戻りを放置すると徐々に進行する可能性があるため、少しでも違和感があるときは早めに歯科医院を受診することが大切です。
インビザライン矯正後の後戻りが中度以上に進んでしまった場合は、リテーナーだけでは元の状態に戻すことが難しく、再度の矯正治療を検討する必要があります。再矯正の方法は、症状の程度や患者さんの年齢、口腔内の状態によって異なります。
軽度であれば部分的なインビザラインの再治療(追加アライナー)で対応できることもあります。
一方で、歯列全体に大きなずれが見られる場合には、再び全体的な矯正が必要となることもあります。場合によっては、ワイヤー矯正との併用が提案されることもあるでしょう。再矯正が必要になると新たに費用と時間がかかるため、精神的・経済的な負担も無視できません。
しかし、後戻りを放置しておくと、見た目だけでなく機能面にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、気になる変化があれば、早めに歯科医院で相談することが大切です。

インビザラインによる矯正治療の効果を長く維持するためには後戻りへの対策が欠かせません。治療が終わったからといって油断せず、リテーナーの装着を習慣にし、舌癖や噛み癖といった悪習慣を見直すことが重要です。
万が一、後戻りが起こった場合には、リテーナーで再保定することで改善が見込めるケースもありますが、中度以上になると再矯正が必要になります。違和感や変化に気づいたときには放置せず、すぐに歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では虫歯や歯周病がなくなるような歯科医療を目指しており、治療のためでなく治療しなくてすむために、歯科医院に通っていただきたいと思います。
当院のホームページはこちら、ネット予約も受け付けておりますので、ご活用ください。
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