

Blog
2026年3月4日
冬の朝、静寂の中でただ呼吸に向き合う時間。
涅槃会の日に坐った座禅は、いのちの尊さと「いま」を生きる意味を、あらためて教えてくれました。
退職された英子先生と過ごした、心満ちた一日の記録です。
昨日2月15日は、仏教においてお釈迦さまが入滅された日、「涅槃会(ねはんえ)」でした。
私の実家の菩提寺である臨済宗東福寺派の禅寺、興昌寺(観音寺)の座禅会に、10月末に退職された英子先生と参加してきました。
英子先生は真言宗ですので宗派は違いますが、興昌寺では宗派を問わず、どなたでも温かく迎えてくださいます。昨日も、いつもの常連の方々に加えて、どこかの会社の皆さまが10名ほど参加されていました。
初めて来られる方は、開始15分前に到着し、座禅の作法や姿勢、呼吸の整え方などを丁寧に教えていただきます。いきなり本番ではなく、安心して坐れるようにとの細やかなご配慮です。
寒の底ともいえる冷え込みの朝。
静寂の中で足を組み、背筋を伸ばし、ただ呼吸に意識を向ける――
そのシンプルな行為が、いかに日常の雑念を洗い流してくれるかを、あらためて感じました。
英子先生のお母様は86歳。群馬の施設に入所しています。2年前に私も一緒に英子先生のお母様の施設を訪れ、義歯の修理と虫歯治療を手伝いました。歯科医として関わらせていただいた時間は、私にとっても忘れられないものです。
先月は危篤状態となり、肺に水がたまり入院したとのこと。
私の母も要介護5で、昨年から入退院を繰り返しています。
2月15日の涅槃会は、お釈迦さまの最期を偲び、いのちの尊さや無常をあらためて考える日です。呼吸に集中しながら、
「生まれてきたこと」
「いま生きていること」
「やがて終わりを迎えること」
に思いを巡らせました。
親の老いは決して他人事ではなく、命の流れの中に自分もいるのだと実感します。不安や寂しさは消えませんが、「いまこの瞬間を大切にする」という禅の教えが、静かに腹に落ちてきます。
座禅会のあとは墓参りへ。
冬枯れの景色の中に立つ墓石に手を合わせ、「今日も見守ってください」と心の中で語りかけました。
ご先祖さまから受け継いだ命のバトンが、私たちへ、そして子どもや孫へとつながっていく。その流れの中にいることをあらためて感じ、ご先祖様への感謝が自然と湧いてきました。
その後は、道の駅 たからだの里さいたへ。
英子先生は産直の店と温泉が大好き。冷たい空気の中でも、店内は地元の恵みであふれ、活気に満ちています。
昨日の戦利品は、
そして「津の輝(つのかがやき)」という銘柄のみかん。
まんばは香川の冬を代表する野菜。
息子の好物だったなと思いながら、「まんばのけんちゃん」を作りました。
春菊は胡麻和えに。
ブロッコリーはさっと茹でるだけ。
カリフラワーはピクルスに。
大根はずっしりと重く、みずみずしい。
寒さの中で育った野菜は、栄養も旨みもぎゅっと詰まっています。
「津の輝」初めてでしたが、帰宅後に一ついただきました。美味しそうな濃い橙色の皮に、酸味と甘みのバランスが絶妙で、寒い一日のご褒美のようでした。自然の恵みをいただきました。
隣接する**環の湯**で体を温め、湯上がりに日だまり食堂で英子先生とゆっくり語り合いました。
息子さんの結婚が決まったという嬉しい報告。
お母様の介護の現実。
そしてこれからの人生の過ごし方。
喜びと責任と不安が混じり合う世代だからこそ、こうして語り合える時間がありがたいのだと思います。
帰りには、「金刀比羅宮境内の高橋由一美術館」にも立ち寄りました。
芸術に触れる静かな時間もまた、心を整えてくれます。英子先生の住む神奈川県のなじみの風景を描いた作品も多く、自然と会話も弾みました。
寒い朝に坐り、
墓に手を合わせ、
冬野菜を買い、
温泉で温まり、
芸術に触れる 。
どれも特別なことではないのに、確かな充実感があります。
凍てつく朝の座禅は、心と体をまっすぐに整えてくれました。
そして、まんばや津の輝の甘さが、日常の幸せをそっと教えてくれました。寒い朝に坐り、墓に手を合わせ、冬野菜を買い、温泉で温まり、芸術に触れる 。一日を振り返ると、どれも特別なことではないのに、確かな充実感があります。
凍てつく朝の座禅は、心と体をまっすぐに整えてくれました。
そして、まんばや津の輝の甘さが、日常の幸せをそっと教えてくれました。
| 診療時間 | |
|---|---|
| 月火水金土 | 9:00〜13:00/14:00〜18:00 |
| 木・日・祝 | 休診 |
※祝日ある週については木曜営業