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2026年5月27日

こんにちは。高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」です。
歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)や歯茎が細菌によって破壊される病気で、日本の成人の約8割が罹患しているといわれています。自覚症状が出にくいため気づかないうちに進行しやすく、全身の健康にも影響する可能性が報告されています。
この事実を聞いた時、「本当なの?なぜ?」と疑問を持つ方は多いでしょう。
この記事では、歯周病と全身疾患との関係をわかりやすく整理し、日常生活で意識したい予防のポイントもあわせて紹介します。ご自身の健康を守るためにぜひ参考にしてください。

歯茎に炎症が起こると歯茎の粘膜バリアが弱まります。その結果、細菌が血管の中へ入り込みやすい状態になり、歯磨きや食事の際に歯茎へ軽く力が加わるだけでも、細菌が血流に乗って全身にまわることがあります。
通常であれば免疫が働いて処理されますが、歯周病があると細菌が血液中に繰り返し入り込むため、体のさまざまな場所に影響を及ぼすリスクが高まります。また、細菌が作る物質は血管の内側を刺激しやすく、血管の健康に負担をかけることもあります。
こうした積み重ねが、炎症が全身へ広がる理由のひとつと考えられているのです。
また、歯周病は強い痛みが出にくいまま長く続く慢性的な病気です。炎症が続くと、体の中では炎症に関わる物質が増え、血管や代謝の働きに負担がかかります。こうした状態が長引くと、生活習慣病のリスクも高まる可能性があるといわれています。

血管が詰まることで発症する心筋梗塞や脳梗塞も、歯周病との関連性が指摘されています。
細菌の中には、血流に入り込むと血管の内側に付着して炎症を起こしやすい種類があります。これらが血管の壁を刺激すると、内側の組織は傷つきやすい状態になります。
さらに炎症が続くと脂肪や老廃物がたまりやすくなり、動脈硬化が進みやすくなります。動脈硬化によって血管が硬く狭くなると血流が悪化し、心筋梗塞や脳梗塞につながる危険性も高まります。
実際に、歯周病の人は口腔内(お口の中)が健康な人に比べて心臓や脳の血管の病気を起こす割合が高いという報告もあります。
細菌のなかには、血液中で血小板を集めやすくする性質を持つものもあり、血小板が過剰に集まると血の塊(血栓)が形成されやすくなります。血栓が大きくなると血管を塞ぎ、心臓や脳へ十分な血液が届かなくなる危険性があります。
つまり、血管の壁に炎症を起こすだけでなく、血流そのものを妨げる仕組みにも関与している可能性があるのです。

歯周病と糖尿病はどちらも慢性的な炎症を伴う病気です。
近年では、一方が悪化するともう一方にも影響が出やすい双方向の関係にあることがわかってきました。反対に、歯周病を改善することで糖尿病の管理にも良い影響を与える可能性も示されており、医科と歯科が連携して取り組む重要性が高まっています。
糖尿病になると、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続きます。高血糖は免疫機能を低下させ、細菌への抵抗力を弱めるため、歯周病が進行しやすい状態です。
また、炎症反応が強く出やすくなることで、歯茎や歯を支える組織にかかるダメージも大きくなり、結果として組織の破壊が進みやすくなります。
さらに、高血糖は血管にも悪影響を及ぼし、歯茎の毛細血管の働きが低下することで血流が悪くなり、傷ついた組織の修復が遅れがちになります。こうした複数の要因が重なることで、糖尿病のある方は歯周病が重症化しやすい傾向にあるのです。
一方で、歯周病による炎症も糖尿病へ影響を与えることがわかっています。歯周病が慢性化すると、体内では炎症性物質が増加し、インスリンの働きが低下しやすくなります。
その結果、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病のコントロールが難しくなるケースもあるのです。つまり、歯周病は単なる口だけの病気ではなく、全身の代謝にも関わる可能性があるということです。

妊娠中はホルモンの変化や生活リズムの影響により、口腔内の環境が不安定になりやすい時期です。歯周病が進行すると、母体だけでなく赤ちゃんへ影響を及ぼす可能性もあることから、妊娠期の口腔ケアは非常に重要です。
そのため、妊娠中の方や妊娠を希望している方は、産婦人科での健診に加えて歯科医院でのチェックも受けておくと安心でしょう。
妊娠すると女性ホルモンの分泌量が大きく増加しますが、エストロゲンなどのホルモンは歯茎の血管へ影響を与え、炎症が起こりやすい状態を作るとされています。加えて、つわりで歯磨きがしづらくなったり食事の回数が増えたりすることも、口腔内環境の悪化に影響しています。
このような理由で、もともと軽い歯肉炎があった場合でも、妊娠をきっかけに腫れや出血などの症状が強く現れることがあります。これは妊娠性歯肉炎と呼ばれ、多くの妊婦さんにみられる症状です。
歯周病が進行すると、体内で炎症性物質が多く作られるようになります。その中には子宮の収縮を促す働きを持つものもあり、早産のリスクとの関連が指摘されています。
また、全身の炎症が続くことで胎盤の働きに影響が出る場合があり、低体重児出産につながる可能性も一部で報告されています。

年齢を重ねると歯周病のリスクが高まり、全身の健康にも影響が出やすくなります。
高齢になると、飲み込む力や、気道に入ったものを咳で押し戻す力が弱くなり、食べ物や唾液が誤って気道に入る誤嚥が起こりやすくなります。このとき、細菌が一緒に肺へ入り込むことで炎症を起こすのが誤嚥性肺炎です。
歯周病があると口腔内の細菌が増えるため、誤嚥したときに肺炎を起こすリスクがさらに高まります。誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因としても上位に挙げられる病気で、口腔内を清潔に保つことが重要な予防策として医療・介護の現場でも広く知られています。
近年、歯周病菌が脳に入り込んだ例が報告されており、認知症の原因とされる物質(アミロイドβ)の蓄積に影響する可能性が指摘されています。
ただし、必ずしも認知症を引き起こすと断定されているわけではありません。関連を示す研究は増えているものの、因果関係については今後の検証が必要とされています。
それでも、口腔内を良い状態に保つことが、高齢期の健康維持に役立つという考え方は広がっています。歯科での定期的なケアも、全身の健康維持のために推奨されているのです。

歯周病を予防・管理することが、全身の健康を守るうえでも大切です。ここでは、歯周病から体を守るために日常生活でできるポイントを紹介します。
予防の基本は、細菌のすみかとなるプラークをしっかり取り除くことです。歯ブラシでのブラッシングを丁寧に行うことに加え、歯と歯の間の汚れはデンタルフロスや歯間ブラシを使って清掃しましょう。
また、タバコに含まれる成分は歯茎の血流を悪くし免疫の働きを弱めるため、進行しやすく治りにくい状態を作ります。そのため、禁煙は予防の面でも大きなメリットがあるといえるでしょう。
毎日のセルフケアだけでは落としきれない歯石や、深い歯周ポケットに残った汚れは、歯科医院での専門的なクリーニングで落とす必要があります。一般的には3〜6か月ごとの受診が推奨され、状態によってはより短い間隔での管理が必要になることもあります。
歯周病は自覚症状が出にくいため、痛みがなくても定期的にチェックを受けることが早期発見につながります。歯科医師と相談しながら、自分に合ったペースでケアを続けていくことが、歯や歯茎だけでなく全身の健康を守ることにもつながります。

歯周病は歯茎や骨にとどまらず、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などの全身疾患との関連がわかってきています。口腔内の慢性的な炎症が血流を通じて全身へ影響を与えるメカニズムを理解し、毎日の丁寧なセルフケアと定期的な歯科受診を習慣にすること大切です。
気になる症状がある方は、まずかかりつけの歯科医院にご相談ください。
歯周病にお悩みの方は、高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は、虫歯や歯周病がなくなるような歯科医療を目指しています。治療のためでなく、治療しなくてすむために歯科医院に通っていただけるよう、日々さまざまな診療を行っています。
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