浮田歯科医院
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顎関節症とは?治療法と予防法も解説!

2025年10月8日

顎関節症で顎が痛む女性

こんにちは。高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」です。

顎を動かしたときにカクッと音がする、口を開けにくい、あるいは痛みを感じるといった症状はありませんか。それは、顎関節症(がくかんせつしょう)と呼ばれる疾患の可能性があります。

近年、若い世代から中高年まで幅広い層で増えており、ストレス社会や生活習慣の影響も指摘されています。顎関節症は命に関わる病気ではありませんが、放置すると慢性的な痛みや頭痛、肩こり、さらには全身の不調につながることもあります。

今回は、顎関節症とはどのような疾患か解説します。顎関節症の原因や治療法、そして予防のためにできることについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

顎関節症とは

顎の骨と筋肉の模型

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に痛みや違和感が生じ、口を開け閉めする動作に障害が出る病気の総称です。

顎関節は、耳の前方にある側頭骨と下顎骨が噛み合う部分にあり、この関節をスムーズに動かすことで、私たちは会話や咀嚼ができています。

正常な状態では、関節円板と呼ばれる軟骨のクッションがスムーズな動きを支えていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、クリック音や痛みが発生します。

顎関節症は単一の病気ではなく、関節自体の問題、筋肉の緊張、または歯の噛み合わせの不具合など、複数の要因が絡み合って起こります。そのため、症状の現れ方も人それぞれで、口を開けるときに音が鳴る程度の軽症から、口を開けるのが困難な重度のケースまであります。

早期に原因を見極めて、適切な対処を行うことが重要です。

顎関節症の原因

顎関節症の原因となるストレスを抱えた女性

顎関節症の原因は一つではなく、日常生活や心理的な要因、さらには身体的特徴などが複雑に関係しています。ここでは代表的な原因を具体的に見ていきましょう。

ストレスと筋肉の緊張

現代人に多く見られる顎関節症の原因の一つがストレスです。精神的なストレスは、知らず知らずのうちに顎の周囲の筋肉を緊張させます。たとえば、仕事中や寝ている間に歯を強く食いしばるクレンチングなどの癖が生じやすくなり、これが顎関節に過剰な負担をかけるのです。

特に長期間続くと、筋肉の疲労や炎症を引き起こし、顎の動きに制限や痛みが出てきます。ストレスは目に見えにくい要因であるため、心身両面からのケアが求められます。

噛み合わせの不調

歯の高さや位置が少しでもずれると、上下の歯の噛み合わせが乱れます。このバランスの崩れが顎の関節に偏った力を加え、徐々に関節円板の位置ずれや関節部の炎症を引き起こすのです。

特に、虫歯や歯の欠損を放置したり、合わない入れ歯や詰め物を長期間使用していたりする場合は、噛み合わせのトラブルが発生しやすくなります。歯並びの問題や歯ぎしりも同様に、関節に大きな影響を与えます。

歯科医院で定期的にチェックを受けることで、顎関節症の早期発見・予防に役立つでしょう。

姿勢や生活習慣の影響

スマートフォンの長時間使用やデスクワークの増加により、前かがみ姿勢が習慣化している人が増えています。このような不良姿勢は、首や肩、顎周囲の筋肉バランスを崩し、顎関節に負担を与えます。

また、片側でばかり噛む、頬杖をつく、うつ伏せで寝るといった生活習慣も要注意です。これらの動作は顎の左右バランスを乱し、関節や筋肉に偏ったストレスを生じさせます。

正しい姿勢とバランスの取れた生活習慣を心がけることが、顎関節症の予防につながります。

顎関節症は自然に治る?

顎関節症は自然に治るのか考える女性

軽度の顎関節症の場合、自然に改善することもあります。例えば、過度なストレスが一時的にかかっているだけであれば、心身のリラックスや生活習慣の見直しで症状が軽減することがあります。

しかし、関節円板のずれや炎症が進行している場合は、自然治癒は難しく、放置すると慢性化することも少なくありません。

特に、痛みが続く、口が開かない、顎を動かすたびに音が鳴るといった症状が長期間改善しない場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。適切な治療やリハビリを行うことで、症状をコントロールしながら日常生活を快適に送ることが可能になります。

自己判断で放置せず、専門医のアドバイスを受けることが最も確実な方法です。

顎関節症の症状があるときは何科を受診する?

顎が痛くなり口腔外科を受診する女性

顎関節症の症状が現れた場合「どの診療科を受診すればよいのか分からない」という方も少なくありません。

基本的には、まず歯科または口腔外科を受診するのが適切です。顎関節や咀嚼筋の状態、噛み合わせ、歯ぎしりの有無などを詳しく調べ、原因を特定してもらえます。特に口を開けるときの痛みや関節音、開口障害などがある場合は、口腔外科での診察が推奨されます。

また、顎の痛みが耳の奥やこめかみまで広がる場合、耳鼻咽喉科を受診することも有効です。耳の病気との鑑別診断を行い、適切な治療方針を立ててもらえます。

さらに、ストレスや緊張による症状が強いときは、心療内科や整形外科との連携治療が行われることもあります。

症状の原因は複合的であるため、自己判断せず、複数の専門医の意見を聞くことが改善への近道です。

顎関節症の治療方法

顎関節症の治療法の一つであるスプリント療法(マウスピース治療)のイメージ

顎関節症の治療は、症状の程度や原因によって異なります。ここでは代表的な治療法をご紹介します。

スプリント療法(マウスピース治療)

スプリント療法とは、歯ぎしりや食いしばりによる顎関節への負担を軽減するために、専用のマウスピース(スプリント)を装着する治療法です。

透明な樹脂で作られたマウスピースを、就寝時などに装着することで、歯と顎を保護します。また、筋肉の緊張を緩和し、顎の位置を安定させる効果もあります。使用を続けることで、関節の炎症や痛みが軽減され、自然な開閉運動を取り戻すことが期待されます。

理学療法

理学療法では、顎の周囲の筋肉をほぐし、関節の動きを改善するためのマッサージやストレッチを行います。これにより、筋肉の緊張を和らげ、関節の可動域を広げることができます。特に、温熱療法(ホットパック)や超音波治療なども有効です。

また、口の開け方や顎の動かし方を指導する運動療法も併用されることがあります。医師の指導のもと、正しい方法で行うことが大切です。

薬物療法と心理的アプローチ

痛みが強い場合は、鎮痛薬や筋弛緩薬が処方されることがあります。炎症を抑え、筋肉のこわばりを軽減することで、日常生活の不快感を和らげることができます。

また、ストレスが大きく関係しているケースでは、心理療法やカウンセリングが有効です。リラクゼーション法や認知行動療法などを取り入れることで、心身の緊張を解きほぐし、症状の再発を防ぐ効果も期待できます。

顎関節症を予防する方法

顎関節症を予防する方法について説明する歯科医

顎関節症を未然に防ぐには、日常生活のなかでの小さな習慣を見直すことが大切です。

正しい姿勢を意識する

デスクワークやスマートフォン操作時の姿勢は、顎関節に大きな影響を与えます。背筋を伸ばし、頭の位置をまっすぐ保つことで、首や顎への負担を減らすことができます。長時間の作業中は、こまめに姿勢をリセットし、肩を回すなどして筋肉の緊張をほぐしましょう。

歯ぎしり・食いしばりを改善する

寝ている間の歯ぎしりや日中の食いしばりは、顎関節症の大きな原因です。気づかないうちに歯を強く噛みしめている人は多く、日中にふと顎の力を抜く習慣を意識することが重要です。睡眠中の歯ぎしりがひどい場合は、歯科医院でマウスピースを作成してもらいましょう。

バランスの取れた噛み方を意識する

食事の際に片側だけで噛む癖があると、顎関節に不均等な負担がかかります。左右均等に噛むように意識し、硬すぎる食品ばかりを避けることもポイントです。また、頬杖やうつ伏せ寝といった悪習慣を改めることで、顎の歪みを防ぐことができます。

まとめ

顎関節症を治療して食事を楽しむ女性

顎関節症は、誰にでも起こり得る身近な疾患です。ストレスや生活習慣、姿勢、噛み合わせなど、日常のなかに潜む原因を見直すことが、改善と予防の第一歩となります。早期に専門家へ相談し、自分に合った治療法を見つけることで、快適な生活を取り戻すことができます。

痛みや違和感を「そのうち治るだろう」と放置せず、身体からのサインにしっかり耳を傾けましょう。顎関節の健康を守ることは、食事や会話の楽しみを守ることにもつながります。毎日の小さな意識が、健康的な笑顔を支える鍵となるのです。

顎関節症の症状にお悩みの方は、高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では虫歯や歯周病がなくなるような歯科医療を目指しており、治療のためでなく治療しなくてすむために、歯科医院に通っていただきたいと思います。

当院のホームページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ご活用ください。

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