

Blog
2026年10月8日
こんにちは。浮田歯科医院です。
8月の院内研修では、スタッフ全員で、日本臨床歯周病学会の中国・四国支部研修会の動画を視聴しました。7月26日(日)に開催された研修会のテーマは、『「患者を診る」力が歯周治療を成功に導く~医療面接・診査・診断編~』です。
今回の学びを通して改めて感じたのは、歯周病の治療では、お口の中を調べるだけでなく、患者さんの全身の健康や生活背景を知ることが大切だということです。当院が日々の診療で大切にしている問診や検査の意味を、患者さんにもお伝えしたいと思います。
歯周病の研修というと、歯科医師や歯科衛生士が受けるものと思われるかもしれません。当院では、受付スタッフを含め、全員で内容を共有しています。
歯科衛生士にとっては、歯周組織の状態を確認し、歯みがき指導や歯石除去、継続的な管理を行うための大切な知識です。同時に、患者さんの相談を受け、治療についての説明を支えるTC(トリートメントコーディネーター)の役割にも、受付で治療の流れを理解するためにも必要な学びだと考えています。
「今日はどのような検査をするのか」「なぜ次の来院が必要なのか」。こうしたことをスタッフが理解していれば、患者さんの疑問や不安を受け止め、担当者につなぐことができます。それぞれの役割を尊重しながら、医院全体で患者さんを支えるために、共通の知識を持つことを大切にしています。
歯ぐきの腫れや出血、歯のぐらつきが気になって受診されたときには、「早く治療してほしい」「まず歯石を取ってほしい」と思われることもあるでしょう。そのお気持ちはよくわかります。
一方で、問診や検査が続くと、治療がなかなか始まらないように感じるかもしれません。医療面接・診査・診断は、処置そのものに比べると変化が見えにくく、地味に感じられる部分です。しかし、適切な治療を考えるための土台となる、とても大切な過程です。
もちろん、強い痛みや腫れがある場合には、その状態に応じた対応が必要です。そのうえで、症状の背景や歯周病の進行の程度を確認し、必要な治療を順序立てて考えます。検査や質問の目的をお伝えしながら、納得して治療を受けていただけるよう努めたいと思います。
医療面接とは、患者さんのお話を聞き、症状や健康状態、これまでの経過を理解することです。いつから気になるのか、以前にも同じ症状があったのか、食事や歯みがきで困っていることはないかなどを伺います。
当院では、それに加えて、現在治療中の病気、過去にかかった病気、服用しているお薬、アレルギーなども確認します。「歯科なのに、どうして体の病気を聞くのだろう」と感じるかもしれませんが、全身の状態やお薬は、歯周病の状態や歯科治療の進め方に関わります。
例えば、糖尿病の状態は歯周病の悪化や治癒に関係します。また、お薬の種類によっては、出血への配慮や、抜歯・歯周外科治療の際の確認が必要になることがあります。安全に治療を進めるため、お薬手帳をお持ちの方は、受診時にご提示ください。お薬を自己判断で中止する必要はありません。
通院先やお薬が変わったときには、継続して通ってくださっている患者さんも、その都度お知らせいただけると助かります。
当院では、必要に応じて、ご家族がかかった病気についても確認します。ご家族に糖尿病の方がいるか、歯周病で早くから歯を失った方がいるかといった情報は、患者さんの背景を理解するための手がかりになります。
歯周病は、歯の表面に付着するプラーク(歯垢)の中の細菌によって起こる炎症性の病気ですが、その進み方には、喫煙、全身の健康状態、体質など、さまざまな要因が関係します。ご家族の病歴も、そうした背景を考える情報の一つです。
ただし、ご家族に病気があるからといって、ご本人も同じ病気になると決まるわけではありません。家族歴だけで歯周病を診断することもありません。お口の検査結果やご本人の健康状態と合わせて考えますので、わかる範囲でお話しいただければ大丈夫です。
歯周病は、痛みが少ないまま進むことがあります。見た目や自覚症状だけではわからない部分もあるため、歯周組織検査で歯を支える組織の状態を確認します。
歯と歯ぐきの境目の溝である「歯周ポケット」の深さ、検査時の出血、歯の揺れ、プラークや歯石の付着などを調べます。必要に応じてレントゲン検査を行い、歯を支える骨の状態も確認します。
こうした情報を合わせることで、どの部分に炎症があるか、どの程度進行しているか、どのような治療が必要かを判断します。歯科医師の診断と治療計画に基づき、歯科衛生士も患者さんの状態を共有して、歯周基本治療やセルフケアの支援につなげます。
治療後に再び検査することにも意味があります。最初の結果と比較し、炎症が改善したか、さらに治療が必要な部分があるかを確認するためです。検査は、治療の出発点であり、その後の経過を確かめる目印でもあります。
今回の研修では、歯周病を「口の中の病気」としてだけでなく、「全身の健康にも関わる病気」として患者さんにお伝えする大切さを再認識しました。
特に糖尿病と歯周病には、互いに影響し合う関係が知られています。血糖コントロールが不良な状態では歯周病が悪化しやすく、歯周病による炎症が血糖コントロールに悪影響を及ぼすこともあります。歯周病の治療は、お口の状態を改善するとともに、糖尿病の管理にも役立つ可能性があります。
ただし、歯周病の治療だけで糖尿病が治るということではありません。医科での治療や生活習慣の管理を続けながら、お口の健康にも取り組むことが大切です。
心血管疾患など、ほかの全身疾患との関連についても研究が進んでいますが、関連があることと、直接の原因であることは同じではありません。患者さんを必要以上に不安にさせるのではなく、わかっていることを丁寧に伝え、必要に応じて医科と連携する姿勢を大切にしたいと考えています。
歯周病の治療では、歯科医院での歯石除去などに加え、毎日の歯みがきや歯間ブラシ・デンタルフロスによるセルフケアが重要です。治療後も、状態に応じたメンテナンスや歯周病の安定期治療を続け、お口の変化を確認します。
その取り組みを続けるには、患者さんの生活やお気持ちを知ることも欠かせません。通院できる時間、歯みがきで難しいこと、治療への不安などを伺い、一人ひとりに合った方法を一緒に考えたいと思います。
浮田歯科医院では、これからもスタッフ全員で学びを共有し、歯だけでなく患者さんの健康と生活に目を向けた診療を心がけていきます。問診や検査で気になることがありましたら、遠慮なくお声がけください。ご自身のお口の状態を知ることから、一緒に歯周病の予防と治療に取り組んでいきましょう。
« 保険診療でも白いブリッジが選べるようになりました~CAD/CAMブリッジのメリットと、知っておいていただきたいこと~
| 診療時間 | |
|---|---|
| 月火水金土 | 9:00〜13:00/14:00〜18:00 |
| 木・日・祝 | 休診 |
※祝日ある週については木曜営業