虫歯について

ムシ歯はどうしてできるのでしょう

あなたの歯の表面では食事のたびにいったい何が起こっているのでしょうか

歯の表面は、プラーク(歯の表面のネバネバしたよごれ、歯垢ともいう)でおおわれており、このプラークの中にはムシ歯の原因となるミュータンス菌やラクトバチラス菌が住んでいます。これらのプラーク中のムシ歯菌は、あなたが食べたり飲んだりしたものの中に含まれる炭水化物や糖を利用して、歯を溶かす「酸」を作ります。この酸によって歯からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出します。この働きを「脱灰」と呼びます。

脱灰が持続すると歯の結晶構造が破壊されて歯に穴があいてしまうのですが、正常なお□の中では、唾液の働きによって唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯の表面に沈着するので歯が破壊されることはありません。
この働きを「再石灰化」といいます。食事のたびに「脱灰」と「再石灰化」は常にくりかえされているのです。

ムシ歯の危険度チェック

健康な状態では「脱灰」と「再石灰化」の力は桔抗していることになりますが、「脱灰」に働く力が強くなったり、「再石灰化」に働く力が弱くなったときは脱灰が進んで歯がとかされ、ムシ歯ができてしまいます。

ムシ歯の危険度チェック

一人一人のお口の中でおきている「脱灰」と「再石灰化」のバランスを分析することで、個人のムシ歯のリスクを知ることができます。そして、脱灰に傾いていると判定されたならば、それをさまざまな方法でコントロールし、再石灰化を促進したり脱灰を抑制しなければなりません。このことが「治療」の本当の意味なのです。

食事とpHの関係

食事とpHの関係01

食事をとると、2~3分でプラーク中のpH(ペーハー)は酸性に傾き脱灰がはじまります。この脱灰の時間が長くつづいたり、酸性度が強いほどムシ歯の危険が増加します。

唾液の力によって約20~40分間でプラーク中のPHが上昇し、
再石灰化がはじまります。

食事とpHの関係03
食事をするたびに脱灰がおこります。

A図のような三度の食事と一回の間食をするきまり良い
食生活では、トータルでの脱灰の時間が少なく、
再石灰化のための時間は長くなるためムシ歯の
危険は少なくてすみます。

食事とpHの関係

しかし、B図のような間食の多い食生活ではトータルの脱灰時間が長く、再石灰化の時間がすくないのでムシ歯の危険が増加します。

寝る前の飲食は最も危険です。
寝ている間は唾液の分泌が低下するので、
再石灰化の力がうまく働かないためです。

ミュータンス菌について

ミュータンス菌はほとんどの人の口の中にいる細菌です。その量は個人差が大きくさまざまですが、
食べた物に含まれる糖や炭水化物を分解して強い酸を出します。
歯にベタベタと付着する不溶性グルカンを出し、酸性の環境でもどんどん増えてゆきます。
糖の摂取や回数が多いと増えます。ミュータンス菌の量が多い人はムシ歯の危険度が高いといえます。

ラクトバチラス菌について

ラクトバチラス菌はムシ歯を進行させる菌です。生息する場所に限られますが、住みつくと食べ物に含まれる糖や炭水化物を分解して強い酸を出します。糖の摂取や飲食回数が多かったりムシ歯や不適な修復物があったりすると増えます。きちんと治療して、PCRが適正になってくると少なくなってくることが多いです。

唾液の量について

唾液がからだの健康のために、はたしている役割は数多くあります。その中でも重要なのは、歯や歯肉の健康を守る働きです。歯の表面(エナメル質)で食事のたびにくりかえされる脱灰、再石灰化、フッ素イオンの供給はすべて唾液を介して行われます。
充分な唾液が存在することでエナメル質の健康が保たれます。エナメル質を構成するカルシウムイオンやリン酸イオンを十分に含んだ唾液は液体エナメル質と言われています。多くのイオンをエナメル質に供給するためには、唾液分泌量が多ければ多いほど有利になります。

唾液の緩衝能について

プラーク中のムシ歯が作り出した「酸」を中和する働きを緩衝作用といいいます。唾液の中に酸を中和する物質(炭酸水素イオン)を多く含んですると強い緩衝能を発揮し、再石灰を促進させます。
幼児、妊婦、病気のために薬を飲み続けている人、よく噛むことができない人などは緩衝能が低下していることが多いです。

フッ素について

歯の表面では食事のたびに脱灰と再石灰化が行われています。脱灰によって歯から唾液中に溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンは再石灰化によって再び歯に取り戻されます。
この時、フッ素イオンも一緒に歯に取り込むことができると歯質はフルオロアパタイトという硬く強い結晶構造を作り、酸によって溶かされにくい歯になります。毎日のブラッシングの時にフッ素を補給することで酸に強い歯を作ることができます。ムシ歯予防にはフッ素の力が一番効果的だと考えられます。

永久歯に生えかわる時期(5才~18才)の過ごし方

生えてきたばかりの歯は成熟するまでに数年かかります。フッ素は硬化促進の役割をはたし、固い丈夫な歯をつくります。
健康な歯を守り育てるためには毎日フッ素を使用することが重要です。忘れずに必ず使いましょう。
またこの時期は3ヶ月毎にバイオフィルムの除去を歯科医院で受けて高濃度のフッ素を塗ってもらいましょう。

歯の質について

その人の歯質も抵抗力のひとつです。
エナメル質の脱灰が起こる臨海pHは5.5、象牙質、セメント質、幼若永久歯、乳歯ではpH6.2とされています。

成人のムシ歯について

歯周病や長年の不適切なセルフケアにより歯肉の退縮が起きると象牙質が露出してしまい、冷たいものやブラッシングでしみたりする、知覚過敏症が起こります。また象牙質はエナメル質よりも酸に溶けやすいためカリエスになりやすいのです。

成人のムシ歯について

エナメル質の脱灰はpH5.5以下で生じると言われていますが、根露出部の象牙質においてはpH6.2程度であるといわれています。この酸の強さを単純な数値になおすと、約5倍程度の酸の強さがあると考えられ、歯根露出部がいかに弱い酸で脱灰されるかが理解できると思います。

仕上げみがきをしましょう!!

お子様がきちんと歯みがきができるようになるまでは磨き残しのチェックと、ムシ歯のチェックを兼ねた仕上げみがきとフッ素ジェルを保護者の方にお願いしたいと思います。
8~9才頃までには仕上げみがきをしなくても自分できちんとみがけるよう自立させたいと考えています。自立みがきでPCRの高いお客様には、夏休みなどを利用してブラッシングの練習に通っていただいています。