浮田歯科医院
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虫歯のメカニズムを解説!進行を防ぐためのポイントも

2025年8月13日

虫歯のメカニズムを解説するイメージ

こんにちは。高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」です。

虫歯は、私たちの身近にある病気のひとつです。

しかし、どうして虫歯になるのか、詳しい理由までは知らない方も多いのではないでしょうか。虫歯のメカニズムや原因を知っていれば、予防するための行動を取れるようになるかもしれません。

この記事では、虫歯のメカニズムや進行段階、虫歯を放置するリスク、進行を防ぐポイントなどについて詳しく解説していきます。正しい知識を身につけて、ご自身の歯を守っていきましょう。

虫歯とは

虫歯のしくみ

虫歯は、歯の表面にある硬い組織が細菌によって酸性にされることで、硬い組織が溶かされることで発生します。初期段階では痛みを感じにくいため、自覚症状が無いまま徐々に進行し、歯が黒くなることがよくあります。

初期の虫歯は、歯の表面にあるエナメル質が溶かされることによって発生します。エナメル質は非常に硬い組織ですが、歯みがき後やお口の中が乾燥するなどで、ミュータンス菌が活動しやすい状態になると歯に穴が開きます。

エナメル質が溶かされると、次第に内側の象牙質にまで虫歯が進行します。象牙質はエナメル質よりも柔らかい組織であるため酸に溶けやすく、虫歯が進行しやすいといわれています。

進行した虫歯は、歯の神経にまで到達することがあります。歯の神経にまで虫歯が進行すると、鋭い痛みを覚えるようになります。神経が取り除かれた歯の神経がないため、痛みを感じなくなります。

症状が進行し、歯の神経が壊死することによって、急激な痛みを覚えることがあるため注意しましょう。急激な痛みは、膿が出て歯ぐきが腫れる原因にもなります。

虫歯は小さな穴として現れますが、放置すると徐々に進行し、最終的には抜歯が必要になることもあります。初期段階であれば、歯科医院での適切な治療によって治癒が期待できます。

一方で、中等度から進行した虫歯は治癒が難しく、この段階に進むと治療箇所が大きくなるため、健康な歯を多く削ることになります。そうなると、歯の寿命が短くなることや治療費が増えることなどが懸念されます。虫歯は放置すればするほど進行し、治療が難しくなるため、適切なケアが大切です。

虫歯のメカニズム

虫歯が発生する原因イメージ

虫歯菌は、糖分をエサにして増殖します。その結果、歯のエナメル質を溶かす酸を生成し、虫歯に発展するのです。以下に、具体的な流れを解説します。

虫歯菌が増殖する

口の中に存在する、ミュータンス菌やラクトバチラス菌などの虫歯菌が、歯の表面に付着した食べかすや糖分をエサにして増殖します。増殖した虫歯菌は、糖分を分解することで酸を生成します。

また、プラークには無数の菌が存在し、互いが関わり合いながら成長していきます。プラークが蓄積すると、酸により歯の表面からカルシウムなどの成分が溶け出し、脱灰と呼ばれる状態になります。

虫歯菌はミュータンス菌だけではありません。口腔内にはさまざまな細菌が存在し、虫歯菌に属する菌も多数存在します。これらの細菌は、食べ物から糖分をエサにして増殖します。

酸を生成する

虫歯菌がエネルギーを得るときには、食べ物に含まれる糖分を分解し、酸を生成します。虫歯菌は砂糖が大好きで、糖分をエサとして繁殖します。虫歯菌が糖分を分解するとき、酸を作り出すのです。

酸によって歯が溶かされる

プラークが長時間放置されると、酸の濃度が高まり、歯の表面であるエナメル質のミネラルが溶ける脱灰という状態に陥ります。特に甘い物を頻繁に摂取したり歯磨きが不十分だったりすると、口内の酸性状態が長時間続く可能性があります。エナメル質が溶けると、白っぽい着色や小さな穴が見られることがあり、これが虫歯の初期段階です。

虫歯の進行段階と治療法

歯科医院で行う虫歯の治療イメージ

虫歯は進行段階ごとに異なる特徴と治療法があり、初期の段階で発見できれば、より簡単で低侵襲な治療が可能です。進行するにつれて治療の難易度や費用も変わるため、症状に応じて適切な対応をすることが重要です。

ここでは、虫歯の進行段階ごとの特徴と治療方法について詳しく見ていきます。

C0(初期の虫歯)

C0は、歯の表面に白濁した斑点が見られる状態です。この段階では、痛みなどの症状はほとんどありません。C0の段階であれば、十分なブラッシングによって初期の虫歯の進行を止めることが可能です。フッ素塗布によって再石灰化を促すと白くなり、目立たなくなる場合もあります。

C1(エナメル質の虫歯)

C1とは、虫歯が歯の表面のエナメル質に限局している段階のことを指します。エナメル質は痛みを感じにくく、ひび割れや白濁、黒ずみといった目視可能な変化が現れることがあります。この段階では、まだ穴は空いておらず、歯の表面を削らずに充填材を使った治療が可能です。痛みはないため、定期検診での早期発見が重要です。

C2(象牙質の虫歯)

C2は、エナメル質の下にある象牙質まで虫歯が広がった状態で、冷たいものを飲むとしみたり、甘いのを食べると痛みが出たりすることがあります。象牙質はエナメル質に比べて柔らかく、細菌の侵入を許すと一気に虫歯が進行します。この段階では、削って詰め物(レジンや金属)で修復する治療が一般的です。

C3(神経まで達した虫歯)

C3は、虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達した状態です。この段階になると、強い痛みを感じるようになり、熱いものや冷たいものがしみることもあります。自発痛を訴えることも多く、夜間や安静時にも痛みが増すことがあります。

歯髄炎と診断された場合、神経を取り除く根管治療が必要です。治療では、感染した神経を抜いて根管内を清掃、消毒し、最終的には白い詰め物(レジンなど)やメタル製の土台と被せ物(クラウン)で補強します。この治療は複数回に分けて行われ、約数週間から数カ月の期間を要します。

C4(歯冠が崩壊した虫歯)

C4は、虫歯が進行して歯の大部分が崩壊し、根の部分が露出した状態です。この段階では痛みが引き、神経が死んでいることが多く、自覚症状が少ないのも特徴です。

しかし、この状態まで進行していると、歯を大きく失っていることが多く、抜歯しなければならないケースもあります。抜歯後は、インプラントやブリッジ、入れ歯などの補綴治療を検討する必要があります。

虫歯が進行すると、治療の選択肢が限られ、結果的に通院回数や治療期間が長くなります。早期発見・早期治療が、患者さまの身体的・経済的負担を軽減できるのです。

虫歯を放置するリスク

虫歯の進行と症状の変化を説明する歯科医師

虫歯は初期段階ではほとんど痛みや自覚症状がないため、気づかないうちに進行しやすいです。初期の段階ではエナメル質の一部が溶け始める程度ですが、放置すると象牙質にまで達し、しみるような痛みや歯の変色が現れるようになります。

さらに放置すると、虫歯が歯髄に達し強い痛みを伴うようになります。歯髄炎を起こすと神経を取り除く治療が必要となり、歯自体の寿命を大きく縮める原因となります。

また、放置して虫歯が大きく進行すると、最悪の場合は抜歯が必要になるケースもあります。抜歯後は、噛み合わせへの影響や歯列全体のバランスに悪影響を及ぼしかねません。抜歯を免れた場合でも、被せ物や詰め物、根管治療など複雑で高額な治療が必要となることでしょう。

さらに、重度の虫歯からは細菌感染が起きる可能性があります。

虫歯の発生を防ぐためには

虫歯予防のためフッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをする様子

上述した通り、虫歯を放置するとさまざまなリスクが伴います。

しかし、虫歯は予防できる病気です。歯を健康に保つためには、虫歯になってから治療を受けるのではなく、虫歯を発生させないことが理想と言えるでしょう。

ここでは、虫歯のリスクを減らすための具体的な方法をご紹介します。

適切な方法で歯磨きをする

虫歯を予防するためには、食後や就寝前にしっかりと歯を磨くことが非常に重要です。食べかすやプラークが口内に残ったままだと、細菌が繁殖して酸が作り出されてしまうためです。特に、就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌の働きが活発になるため、寝る前の歯磨きは欠かせません。

また、虫歯の原因になるプラークを完全に取り除くためには、ブラッシングだけでは不十分でしょう。デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助アイテムも活用しましょう。これらの道具を正しく使うことで、歯と歯の間にたまった汚れもきれいに取り除くことができ、虫歯予防に有効です。

食生活を見直す

虫歯の最大の原因となるのは過剰な糖分の摂取です。日常的に甘い飲み物やお菓子を多く摂っていると、口内のpHが下がり、酸性の状態が長時間続きながら虫歯菌が増殖しやすくなります。砂糖を含む飲食物を減らし、食後は水やお茶で口内をすすぐ習慣を持つことで、食物の糖分が口腔にとどまるのを防げます。

また、間食の回数が多いと虫歯菌が常に活動している状態が続きやすいため、食事の時間を決めて規則正しい食習慣を維持しましょう。食後にガムを噛むことも有効です。ガムを噛むことで唾液の分泌を促し、口内の酸を中和させる作用が働きます。

ただし、糖分の多いガムは逆効果になるため、キシリトール入りのものを選ぶようにしてください。

唾液の働きを活かす

唾液には、酸を中和したり虫歯菌を洗い流したりする重要な役割があります。口腔内の乾燥は虫歯のリスクを高めるため、日頃から水分をこまめに摂取することやガムを噛むことで唾液の分泌を促しましょう。特に、高齢者や薬の副作用で唾液が減っている場合は、人工唾液やうがい薬の使用も効果的です。

定期的に歯科検診を受ける

自分でどれだけ丁寧に歯を磨いていても、口内の汚れを完全に除去するのは難しいです。歯ブラシだけでは60%ほど、フロスや歯間ブラシを使用しても80%ほどしか口内の汚れを除去できないとされています。そのため、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることが、虫歯予防には欠かせません。

歯科医院では、専門的なケアを受けることができ、虫歯の早期発見や予防処置が可能です。一般的には1〜3か月に1回のペースでの受診が推奨されますが、ご自身の口腔内の状態に合わせて調整しましょう。

フッ素を取り入れる

フッ素は、歯の表面にあるエナメル質に吸収されると、再石灰化を促進して歯の強度を高める働きがあります。この再石灰化が進むと、歯が酸に溶けるのを防ぐことができ、虫歯の発生リスクを大幅に下げられます。

特に、フッ素配合の歯科用うがい薬やジェルは、歯科医院で処方される高濃度のものもあり、家庭でのケアに活用できます。特に小児は、大人と比べてエナメル質が柔らかいため、フッ化物を日常的に取り入れることで、虫歯予防の効果がより期待できます。

まとめ

虫歯予防のため丁寧に歯磨きをする女性

虫歯は、歯のエナメル質が酸によって溶かされることで小さな穴が空き、進行することで痛みや歯の喪失につながる病気です。初期段階では自覚症状が少なく、放置すると象牙質や歯髄に達し、神経治療や抜歯が必要になることがあります。

虫歯を予防するためには、正しい歯磨き習慣や食生活の見直し、定期的な歯科検診が重要です。歯の健康を守るためには、日々のケアと早期発見が何よりも大切です。

虫歯の治療を検討されている方は、高松市香西本町の歯医者「浮田歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では虫歯や歯周病がなくなるような歯科医療を目指しており、治療のためでなく治療しなくてすむために、歯科医院に通っていただきたいと思います。

当院のホームページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ご活用ください。

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